会社員らに扶養され、社会保険料の負担がない配偶者の「3号被保険者」について、厚生労働省は、見直しの議論を5年後の年金制度改革以降に持ち越す方針だ。パートら短時間労働者の手取りが減る年収「106万円の壁」撤廃に関連し、「3号」の見直しも注目されていた。
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年金制度改革は5年に1度。厚労省は今回の改革で、パートら短時間労働者の厚生年金の加入対象を広げようとしている。106万円の賃金条件も撤廃する方針で、週20時間以上働く人は厚生年金に加入するようになる見通しだ。
こうした動きで厚生年金の加入が増えれば、3号の対象者も縮小するとみられる。厚労省は、3号の人が減る状況を踏まえ、5年後の制度改革で見直し議論を続ける考えだ。
公的年金の加入者は3種類に分かれる。自営業者や無職の人らが加入する「1号」、会社員や公務員らの「2号」、そして3号だ。3号は、年金や健康保険料の負担がない一方、基礎年金(国民年金)を受給でき、公的医療保険サービスも受けられる。
3号の人が一定の規模の企業でパートなどで働き年収106万円に達すると、社会保険料を納める必要が生じ手取りが減る。「年収の壁」などと呼ばれ、3号自体の見直しへの関心が高まっていた。
背景に社会の変化
背景にあるのは、社会の変化…